相続する前にするべき
準備・税金対策
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将来を見据えて相続対策を進める
相続財産の中でも、不動産は高額になるケースが大半を占めます。そのため、財産を持つ方にとっては、相続人に金銭面や精神面で大きな負担を与えないよう、早めに相続対策を講じることが重要です。ここでは、不動産の相続対策をいつから始めるべきか、生前贈与を活用する有効性やそのメリット、注意すべき点について解説します。
相続対策は早いほど安心!不動産の準備は今から始めましょう

財産を所有している方の中には、「まだ元気だから大丈夫」と考えて相続対策を後回しにしている方も多いのではないでしょうか。しかし、不慮の事故などで突然相続が発生する可能性は誰にでもあります。さらに、認知症を発症して判断能力を失うと、相続を含むあらゆる手続きが困難になるケースも少なくありません。
加えて、遺言書の作成や生前贈与の実行は、ご本人が健在のうちに行わなければ法律的に効力を持ちません。そのため、不動産の相続対策は、心身ともに元気で判断力が十分にある時期に始めることが最も望ましいといえます。
タイミングは今!認知症になる前に行う相続対策

法律上、認知症を発症した方が行う契約行為はすべて無効とされるため、預金の引き出しや解約、各種契約、不動産の売買、相続税対策、遺言書の作成、遺産分割の協議などを自ら行うことができなくなります。そこで本記事では、財産を所有する方が認知症になる前の生前対策、財産管理や契約行為を代理で任せられる仕組みとして「家族信託」と「成年後見人制度(任意後見)」について解説します。
生前に行うべき主な対策
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01相続税軽減対策
(資産の世代間移転のための準備) -
02納税資金対策
(納税資金を事前に準備する対策) -
03遺産分割対策
(家族間の「争続」を防ぐための対策) -
04資産管理対策
(認知症や財産凍結を防ぐための対策)
これらを実行する際には、以下のような具体的な手法を組み合わせて検討することが有効です。
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適正な不動産評価・時価額
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基礎控除額・税率の再確認
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二次相続対策
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認知症対策
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遺言書の活用
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任意契約・家族信託等の活用
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資産の整理・組み換え
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生命保険の活用
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養子縁組制度の活用
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各種生前贈与・暦年贈与活用
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小規模企業共済・法人化検討
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名義預金・名義保険の再確認
早めに専門家へ相談することで、ご家族の将来に安心をもたらすことができます。相続を「起きてから考える」のではなく、「起きる前に備える」ことが、円満な資産承継への第一歩です。
家族信託とは?

家族信託とは、自分の財産を信頼できる家族に託し、その管理や処分を任せることができる制度です。これを利用すれば、本人に代わって家族が不動産の売買契約や賃貸借契約を結ぶことが可能になります。ただし、家族信託を契約するには本人の判断能力が必要であり、認知症を発症してからでは手続きが難しくなります。軽度の段階であれば進められる場合もありますが、症状が急に進行することもあるため、できるだけ早い準備が望ましいでしょう。
成年後見人制度(任意後見)とは?

成年後見人制度とは、認知症や精神障がいなどで判断能力が低下した方に代わり、財産管理や契約行為を担う支援者を選任する仕組みです。後見人が選ばれると、本人の代わりに財産の管理や契約の締結を行うことができます。この制度には「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。法定後見制度は、すでに判断力が衰えている方に対して家庭裁判所が後見人を選任する仕組みです。
一方、任意後見制度は、判断力があるうちに信頼できる家族などを将来の後見人としてあらかじめ指名しておく制度です。将来の財産管理に不安がある方は、元気なうちに任意後見制度を利用しておくと安心です。
「家族信託」と「成年後見人制度(任意後見)」の違いについて
※表は左右にスクロールして確認することができます。
| 家族信託 | 成年後見人制度(任意後見) | |
|---|---|---|
| 権限 | 委託者の判断で、財産を自由に管理・運用できる | 原則として、財産を損なう恐れのある行為は禁止される(賃貸経営や株式投資などが対象) |
| 代理権限の有無 | 本人の生活維持に必要な行為を代理可能 (身上監護権を持つ) |
本人の生活維持に必要な行為を代理できない (身上監護権を持たない) |
| 権限の開始時期 | 信託契約の締結時点 | 原則として、本人の判断力が低下した時点 |
| 家族だけで 財産管理をできるか |
信託契約の範囲内なら、受託者である家族が自由に財産を管理できる | 家族のみでの財産管理は不可。家庭裁判所の監督下で管理する |
| 費用 |
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不動産を生前贈与することは、相続税対策の重要なポイントです

土地や建物などの不動産を所有している場合、相続の際に相続人へ大きな税負担が生じる可能性があります。こうした事態を避けるためには、「生前贈与」の活用を検討することが有効です。生前贈与とは、相続開始前に財産をあらかじめ他の人へ移転する方法です。不動産を生前贈与すれば、相続税の軽減につながるだけでなく、さまざまなメリットが得られます。相続税対策は、現状の整理に半年、さらに法定相続人との協議を経て具体的に着手するまでに1年以上かかることもあるため、できる限り早い段階で取り組むことが重要です。
生前贈与にはいろいろなメリットが存在します!
①相続税の負担を減らせる

相続税とは、相続によって得た財産のうち、課税遺産総額に対してかかる税金のことです。生前贈与を行うことで所有財産をあらかじめ減らし、課税対象となる額を抑えることが可能です。また、相続税は基礎控除額を超えた部分にのみ課税されるため、生前贈与により相続財産が基礎控除額を下回る、または同等になった場合には相続税が発生しません。
②贈与税を少なくする積み重ね効果がある

贈与には相続と同様に基礎控除が設けられています。課税方式は2種類あり、「暦年課税」を選んだ場合、年間110万円までが基礎控除額です。つまり、その年の1月1日から12月31日までに贈与を受けた金額が1人あたり110万円以下であれば、贈与税は発生しません。贈与税は年ごとに計算されるため、毎年少しずつ贈与を行うことで、長期的に大きな節税効果を期待できます。
③税制改正による不利を防ぐことができる

相続税や贈与税の優遇制度は、税法の改正や特例制度の廃止などによって、今後も継続されるとは限りません。制度の変更によって、これまで想定していた節税効果が得られなくなる可能性もあります。そのため、税制改正による不利益を避けるためにも、できるだけ早い段階で生前贈与を実行しておくことが重要です。
④贈与する時期を調整でき、資産価値が上がっても影響を受けない

生前贈与の大きな利点のひとつに、自分で贈与のタイミングを選べる点があります。不動産や有価証券といった財産は、時期によって評価額が変動します。そのため、将来的に価値が上がると予想される場合でも、評価額が低い段階で贈与しておけば、相続税の負担を軽減できます。なお、税法上は相続開始からさかのぼって3年間の贈与分は相続財産とみなされますが、評価額は贈与時のものが適用されるため、値上がりの影響を受けずに済み、節税につながるのです。
⑤希望する相続人へ財産を譲りやすい

相続では、遺言書に相続させたい相手を記載することはできますが、他の相続人が納得しなければ不服を申し立てられる可能性があります。これに対し、生前贈与であれば、自分の意思に沿って希望する人へ財産を渡しやすくなります。たとえ生前贈与によって法定相続人の遺留分を侵害した場合でも、請求に応じて侵害分に相当する金銭を支払えば、贈与した財産の所有権を維持できる仕組みです。
生前贈与の注意点について
生前贈与を進める際には、次の3点に注意が必要です。
- 「名義預金」と見なされるケース
- 財産を引き継ぐ方に知らせずに、その方の名前で口座を開設して預金していた場合、相続税を課される恐れがあります。そのため、贈与契約書を作成して、贈与の事実を明確にしておくことが大切です。
- 特定の人に偏った贈与をした場合
- 一部の相続人に有利となる贈与を行うと、他の法定相続人が不利益を受けることになります。その結果、不利益を受けた相続人が「遺留分侵害額請求」を行えば、侵害された分に相当する金銭を支払わなければならない可能性があります。そのため、贈与は十分に配慮しながら進めることが大切です。
- 財産を所有する方の生活資金について
- 人の寿命は予測できないため、老後の生活費や介護にかかる費用は十分に確保しておくことが重要です。贈与で財産を渡し過ぎてしまうと、自身の生活資金が不足し、結果的に家族や親族へ負担をかけてしまう可能性があります。生前贈与を行う際は、老後の資金計画をしっかり考慮したうえで進めることが大切です。
Pick up相続・生前贈与のご相談は
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相続相談窓口は、茨木市・高槻市・豊中市を中心に、不動産相続を数多く手掛けてきました。当社では、司法書士・行政書士・土地家屋調査士・税理士など各分野の専門家と連携し、不動産の相続や売却をサポート。不動産のプロと専門家による二重の体制で安心してご相談いただけます。相続や不動産に関するお悩みは、ぜひ相続相談窓口へお問い合わせください。
