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2026年の不動産登記法改正は重要です

2026年の不動産登記法改正は重要です

 2月も後半に入り、春の陽気が漂い始めた今日この頃ですが、寒暖差が大きくなってきたので体調管理を心がけています。

 阪急茨木市駅前のソシオの地区計画がこの2月に決定、来年(2027年)の春ごろから解体着手予定、2032年ごろの竣工予定と聞いて、あと6年先が待ち遠しい今日この頃です。

 本日は今年の不動産登記法改正についてお伝えしていきます。
 とても重要な内容が含まれていますが、恐らくほとんどの方はご存じないと思いますので、よろしければ最後までご拝読いただけると幸いに存じます。

2026年の不動産登記法改正は重要です

 まずは、2026年2月2日から開始された「所有不動産記録証明制度」についてです。

 相続が発生した際に、被相続人(お亡くなりになった財産所有者)の方が遺言や財産目録、全ての登記識別情報(権利書)などを残してくださっていると良いのですが、もし何も書類等がなかった場合、所有していた不動産を把握する手段をご存じでしょうか。
 特に遠方の別荘地や投資用不動産を所有していた場合、残されたご親族にとって全ての不動産を特定するのは容易ではありません。
今までは下記のようなアナログ作業を延々と実施する必要がありました。

 従来は、親の所有不動産を把握するには、以下のようなアナログ作業が必要でした。

 ・毎年届いている「固定資産税納税通知書」を探す
 ・心当たりのある場所の登記簿を1通ずつ取得する
 ・心当たりのある市区町村ごとに「名寄帳」を請求する
 などなど

 当然、心当たりのない不動産はリストから漏れます。
 以前私が携わった案件では、土地が複数筆に分かれていて、その内1筆が漏れており、先々代まで遡って処理しないといけなかったため、相続人がネズミ算式に増加しており、合計16人の方にその旨のお知らせをし、最終的には売却に向けた手続きを行いました。単なる相続手続きだけならまだしも、売却には全員の同意が必要になりますので相当な時間も労力も金銭も伴うことになります。
 財産を所有されている方にはせめて所有している不動産をリストにしておいていただければと、改めて思い知らされました。

 今回の改正は、相続に関わる人にとってはとても助かる制度です。
 法務局に対して請求を行うことにより、特定の人が所有権の登記名義人となっている不動産を全国一括で抽出した「所有不動産記録証明書」を入手できるようになります。
 メリットとしては、被相続人が残した不動産を相続人はまとめて把握できますので、登記漏れによる後日のトラブルを未然に防ぐことが可能となります。

 ただし、不当な名簿利用を防ぐため、下記のような条件があります。

 ●請求できるのは「所有者本人」または「その相続人」などに限定
 ●請求時に「1通あたり1,600円」が必要

 また、注意すべき点もあります。この制度による検索は、「氏名」と「住所」をキーワードにして検索を行いますので、「登記簿上の住所が、亡くなった当時の住所(住民票の住所)と一致していない」不動産は、リストに抽出されない可能性が高くなります。
 例えば、被相続人の方が20年前に引っ越した際の住所変更登記を怠っていたような場合には、その不動産は検索リストに出てこないので、注意が必要です。

2026年の不動産登記法改正は重要です

 次に、2026年4月1日から始まる「住所・氏名変更登記の義務化」についてです。

 これまで相続登記が義務化されていたことは既にご存じかと思いますが、今後は引っ越しなどによる住所変更、結婚や離婚による氏名変更も登記が義務化されることになります。

 期限や罰則(の可能性)もありますので注意が必要です。

 ●住所や氏名に変更があった日から2年以内の申請が必要
 ●2026年4月1日以前に住所が変わっている人も対象
  改正施行から2年以内に変更登記を行わないと、罰則の対象となる可能性もあり
 ●正当な理由なく未申請のまま放置すると、5万円以下の過料が科される

 以前(昔)購入したマンションや、親から数年前に相続した土地の住所が登記簿上で古いままになっているケースは多々あります。

 できれば、今すぐ最寄りの法務局で所有している不動産の登記事項証明書を取得し、現在の住民票の住所と一致しているかを確認してください。一致していない場合は、今のうちに変更登記をしておくことをお勧めいたします。

2026年の不動産登記法改正は重要です

 転勤や事情があって住所変更を頻繁に行う方にとっては一見迷惑な制度に見えますが、先ほどお伝えした私の関わった例のように、相続発生時に漏れた不動産が後の相続人に多大な迷惑をかけてしまうことを防ぐ点を鑑みますと、合理的な制度とも言えます。
 手続きを忘れてしまいがちな方には、これからお伝えするスマート変更登記を利用されることをお勧めいたします。

 これは、あらかじめ法務局に対して「私の情報を住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)と連携してよい」という「検索用情報の申出」をしておくことで、法務局が職権で登記を書き換えてくれる画期的な制度です。

 まず流れから説明いたします。

 1.法務局が定期的に住基ネットへ照会し、所有者の住所や氏名の変更を自動検知します。
 2.住所や氏名変更があった所有者に対し、法務局から「変更登記をしてもよろしいですか」という確認のメール(または通知)が届きます。
 3.本人が承諾の返信をすれば、法務局が職権で登記を書き換えます。

 この制度を利用するメリットとしては、本人が申請書を書く必要も、登録免許税を納める必要もありませんので、労力も費用も節約できます。

 制度を利用するための申請方法を説明します。

不動産を既に所有している方
 2025年(令和7年)4月21日から、オンラインの「かんたん登記申請」ページより申出が可能になる予定です。マイナンバーカードなどの電子証明書は不要で、生年月日やメールアドレス等を入力するだけで完了します。法務局の窓口での書面提出も可能です。

これから不動産を取得する方
 売買や相続等で新たに登記申請をする際、申請書に検索用情報を記載する欄が設けられるため、別途手続きは不要となります。

 これから相続する方々にとって便利になるのは間違いない制度ですので、これらの制度を上手く活用して生前対策も行っていただければと願っております。

 毎年様々な制度が更新されていきますので、相続の生前対策も含めて不動産の活用、処分、資産の組み換えなどをご検討される方はぜひとも弊社までご相談くださいませ。